賃料の一方的な減額、契約の一方的な解除、賃料の滞納、サブリース会社の倒産。
いまサブリースが社会的に大きな問題になっています。

サブリース契約をしている方は気が気じゃないですよね。

できるなら早くサブリースを解約したいとお考えでしょう。
でもいろいろ調べてみると解約は難しそう。解約金が必要だとか、正当な理由が必要だとか、、、

サブリース解約きないんじゃないか」とあきらめていませんか?

でも安心してください。サブリース契約の解除は可能です。

この記事を読めば、あなたがサブリース契約を解約したい場合に、何から始めて、何をしなければいけないのかが分かるようになります。

各項目に分けて解説していますので、ご関心のある項目から読み進めてください。

サブリースは解約できないことはない。その理由は・・・

ヒントサブリース解約できます。

サブリースの契約書を読む機会はなかなかないと思いますが、改めて読み返してみると、条文や特約事項に解約についての記載があります。

ちょっと文面は難しいですが、、、

大きく分類すると次の2つになります。

  1. 「期間内解約」が書いてある
    通知期日より6ヶ月の到来期日をもって本契約は終了する・・など
  2. 「途中での解約は不可」

1のサブリース契約は6ヶ月前に書面(解約通知書)で解約する旨を通知するか、契約書の内容に従い6ヶ月分の賃料を支払えば即時解約できるのが通常です。

しかし、実際には貸主(賃貸オーナーさん)から解約できる旨がサブリース契約書に記載されているにもかかわらず、借主(サブリース業者)が解約を「拒絶」してトラブルに発展するケースもあります。

そして、厄介なのは2のケースです。

ここがサブリース契約の盲点なのですが、賃貸オーナーさんは「貸主」、サブリース会社は「借主」という関係になるので、ここに「借地借家法」が適用されます。

もう少し言うと借地借家法第28条と32条が適用されてしまうのです。

貸主(賃貸オーナーさん)は解約することに対して「正当事由」が必要になります。

借地借家法は平成20年に改正されましたが、基本的には「貸主」に比べて「借主」は立場が弱く、
経済的にも不利になりやすいので「借主」を保護するための法律なのです。

通常の賃貸借契約でも貸主(賃貸オーナーさん)が解約するには正当事由が必要で、借主(入居者)は1ヶ月前の解約予告をすれば解約できますよね。

これと同じです。

「物件所有者は正当事由が必要で、サブリース会社は特に理由がなくても解約できる」という
不平等契約が成り立っているのです。

「なんだよ、やっぱりサブリース契約は解約できないじゃないか!」
と感じていると思いますが、

「解約」はできます。

借主に対して「立退き」の交渉をするのです。

立退き交渉は、後程詳しく説明しますが、おおよそ次のことが想定されます。

  1. 交渉の結果、借主が素直に応じる
  2. 交渉の結果、借主にお金を支払うことによって解約が成立する
  3. 交渉の結果、話がつかず、法的介入(弁護士に依頼や調停)により解約が成立する

やっぱり難しそう。。。

正直簡単ではないケースが多いので、サブリース契約は、第三者に依頼して解約して貰ったほうが楽かもしれませんね。

サブリース契約の解約手順

ここではサブリース契約を解約する際の手順を説明します。

サブリース契約書の内容を確認する

最初にサブリース契約書の内容を確認しましょう。

サブリース契約を締結した時以外は、あまり見る事はないと思いますが、表紙に「マスターリース契約書」「一括賃借契約書」「サブリース原賃貸借契約書」などと書かれたものです。

サブリース業者によって「〇〇〇契約書」と題目は違います。

確認するチェックポイントは、後述する
「サブリース契約書の内容(条文)チェックポイント
(サブリース契約書ひな型例)」

をご覧ください。

サブリース契約解除の為の解除通知書(解約通知書)を作成する

解約通知書には特に難しいことを書く必要はありません。

ポイントは2点になります。

下記にサブリース契約を解除する際の「解約通知書」(解除通知書)のひな形を載せておきます。

参考にしてください。

684.サブリース契約解除通知(貸主→転貸人)(K)

引用:全日本不動産協会

サブリース契約の解約の届け出をする

サブリース契約の解約「口頭」では行わず、必ず「書面」で行ってください。

口頭では受け付けない業者がありますし、後から「言った、言わない」の話になってしまわないためです。

本来は「内容証明郵便」で送り、サブリース業者が受け取った証拠を残すやり方がベストですが、一般的な「解約通知書」(解除通知書)の郵送でも大丈夫です。

サブリース業者との対応方法

サブリース契約の解約通知書を郵送したら終わり!ではありません。

まずは解約通知書がサブリース業者に届いているかを必ず確認しましょう。

この際の注意点は「サブリース解約の届け出」と同様、口頭(電話)ではなく、必ずメール又はFAXなど、証拠を残す習慣を付けましょう。

サブリース業者が解約通知書をすんなりと受け付けてくれれば何の問題もありません。

しかし、サブリース業者は解約されては困るので、解約されないように営業をしてくるのが普通です。

それはそうですよね。

仕事ですから。

解約を止められる程度なら強い意志を持って進めれば大丈夫ですが、大半は、「サブリース契約の解約できない
と言ってきます。

こうなると、サブリース業者との今後の対応は非常に難しくなり、専門知識が必要になってきます。

この際は、サブリース契約の解約に慣れている人や、専門のプロに依頼したほうが無難です。

後々、弁護士などに依頼して調停をする可能性もありますので、その際の証拠を残す意味でもやり取りは口頭ではなく、必ずメールやFAXなどで行いましょう。

サブリース契約の解約を申し出た方の共通の不安材料

私がサブリース契約の解約の相談を受けた際に、物件所有者が必ず言われる共通のことがあります。

このような内容です。

お気持ちは充分わかります。

不安があるようでしたらストレスになってしまう可能性が強いですので、無理にご自身で解約手続きは行わず、初めから専門のプロに依頼して解約を進めてください。

私の経験上でも、かなり大変なことになるケースが多々ありますので、、、

サブリース契約の解約と同時に行うことは?

サブリース契約の解約を進めるのと同時に行うべきことがあります。

サブリース契約をして不動産投資を行っているオーナーさんは、サブリース業者にすべてを依頼しているため、賃貸経営に携わることがほとんどないのが現実です。

わからないことが多いかもしれませんが、非常に大事なことですので、信用できる不動産業者の人や専門のプロに依頼をして、少しずつでもいいので一緒に進めてくださいね。

建物の状況を把握する

空部屋がある場合、空部屋の内装や設備の状態をチェックサブリース,物件退去時,建物状況把握入居者が退去した際、ルームクリーニングや壁紙の貼替えなどを行いますが、サブリース業者には原状回復工事をするとき、工事費用の負担があるのが通常です。

そのため、工事費用を抑えるために必要最低限の工事しか行わないサブリース業者がありますので、空部屋があまりキレイではないことが多いです。

1棟のアパートやマンションを所有している場合は共用部などもチェック1棟アパート共用部,チャック項目

その他チェック項目建物管理項目,消防点検など

入居者の状況を把握する

入居申込書・賃貸借契約書を引き上げる

自主管理を選択するか?優良な管理会社を選択するか?

サブリース契約を解約した後、入居者管理・家賃管理・建物管理をご自身で行っていくのか、新たな不動産会社に依頼するのかを決める必要があります。

サラリーマン投資家さんは、仕事があるため入居者との対応が困難になり管理会社に依頼することが多いですが、ここでは管理会社に依頼する際の確認事項や注意事項を説明します。

優良な管理会社の選択方法は?

まずはご自身にとって「何が優良なのか」を定義付けする必要があります。

など選択方法は様々です。

いい機会ですので、何社か選択した上で実際にその会社に足を運び、会社の社長や営業担当さんと話をして色々質問をしてみましょう。

大前提として、人は嫌いなタイプや自分とは合いそうもない人とうまく付き合っていくのは非常に難しいです。

大事な不動産という資産の管理を依頼するわけですから、今後長くお付き合いできそうな会社や人を選択することを私はおススメします。

サブリース契約解除の際の注意事項

ここではサブリース契約の解除をする際の注意事項を説明します。

サブリース契約解約時の正当事由

サブリース契約書に、中途解約条項が入っていて「6ヶ月前の解約予告」などが記載されていれば、「解約通知書」を書面で提出することにより基本的には問題なくサブリースの解約はできます。

しかし、実際のサブリース契約書には中途解約条項が記載されていないケースが多く、また契約期間満了により解約を申し出た場合、サブリース会社が同意しない場合があります。

その場合、物件所有者は、サブリース契約を解約するためには「正当事由」が必要になります。

サブリース契約には「借地借家法」が適用されると、裁判所が判例を出しているため、物件所有者からの正当事由はほぼ適用されません。

通常の賃貸借契約(物件所有者と入居者)と同じ扱いになります。

サブリース契約に関連する「借地借家法」

サブリース契約のトラブルの際、必ずといっていいほど関連するのが「借地借家法」です。

ここでは、サブリース契約に関して必要な部分だけを説明します。

裁判所が借地借家法第32条により、サブリース契約は借地借家法の適用になる、と判断しました。

そして同じく裁判所が、借地借家法第28条により、サブリースも建物の「賃貸借契約」である以上、正当事由なしに物件所有者は更新拒絶できない、と判断しました。

この判例は、当事者双方(物件所有者とサブリース業者)の建物を使用する必要性の有無を意味していて、物件所有者よりサブリース業者の方が建物使用の必要性が大きいと判断された判例です。

その結果、物件所有者は借地借家法上、正当事由がなく解約はできず、契約期間満了による更新拒絶ができないわけです。

対応策としては、サブリース業者とのサブリース契約締結時に、「定期借家契約」にしておき、期間満了により必ず契約が終了する形を事前に取ることです。

サブリースのままの方が安全か?解約したほうが得策か?

最近の世の中の状況をみていると、サブリース契約は解約したほうが得策です。

不動産業界に25年間どっぷりといる中で、最近、特にサブリースには危険信号が灯っています。

理由は、たくさんの不動産投資家さんと接している中で、

そんなご相談を多く受けるようになったからです。

私のお客さまの例を出すと、「サブリース賃料を何度も下げられて黒字経営が赤字経営になってしまったのでどうしよう」と相談がありました。

その方は、サブリースだったので今までやることは何もなく、収益物件を購入してから一度も物件を見に行ったことがありませんでした。

いざ私が現地に行ってみると・・・

10部屋中7部屋が空部屋。
しかも共用部分は全く清掃されておらず、集合ポストの周りはゴミだらけ。

これじゃあお部屋を案内しても誰も住みたくないだろうな~、と一瞬で思ってしまうくらい汚いのです。

私は、これから空部屋に入居者を募集して入れていく期間のリスクや、清掃が必要になる費用などを説明し、売却してしまった方がいいと提案しました。

それでも、「せっかくローンを組んで購入した収益物件なのでサブリース解約して賃貸経営をやり直したい!」
という強い言葉があったので、力のある弁護士をご紹介しました。

その結果、サブリースを解約できましたので次に入居者の募集等を行いました。

まずは共用部に清掃を入れてキレイにし、次に空部屋に家具を設置して近隣物件と競争力を持たせることに成功した結果、満室になり賃貸経営は黒字化しました。

サブリースは空部屋のリスクを考える必要がなく一見安心だと思いがちですが、このようなトラブルが特に最近増えてきているので、ご自身の大事な資産を守るためにも今一度しっかりと将来設計を立て直してみることをおすすめします。

サブリースを解除できないと売却はできないのか?

これは最近投資家さんから特に多い質問です。

「サブリースを解除しないと売却できない」

とは言い切れませんが、非常に厳しいです。

それはなぜか???

前項でもお伝えした通り、最近、サブリース契約の問題やトラブルが多く、購入を検討している方からすると
「サブリース付きの物件は後からトラブルになりそうだし、収支が悪くなるからサブリース契約を解約した後でないと購入したくない」
という見方が多いからです。

『需要がなければ売れない』
これは商売の鉄則ですよね。

購入を検討している方がサブリース付物件を敬遠しているから
売却は絶対できない、とは言いませんが、
売却は非常に厳しい、というのが現実だとご理解ください。

サブリースを解除できないと思い込み、サブリース契約を継続した方の行く先は?

サブリース契約を解除できない」と思い込み、サブリース契約をそのまま継続して不動産投資で利益が増えたという方は見たことがありません。

サブリース契約の継続中に一度くらいは「サブリース解約したほうがいいかな」と思い、サブリース会社に解除通知書を提出したことがある方は多いと思います。

しかし、サブリース会社も商売ですから解約されては困るので
「はい、わかりました」とすぐに承諾するわけにはいきません。

サブリース契約は解約できない
「サブリースを解約するなら違約金がかかる」
など解約を阻止するのは当然のことです。

そして物件所有者はサブリース契約の解約をあきらめてしまい、そのまま継続してしまうケースが非常に多く見受けられます。

サブリース会社はサブリース料が収入源ですから、家賃の相場が下がってきたら当然サブリース賃料を下げなければ成り立たなくなるので、物件所有者に対してサブリース賃料を減額します。

その反面、物件所有者は変動金利で借り入れをしていればローンの支払額が上がり、建物が古くなるにつれて建物の維持管理費がかかるようになり、支出が増えます。

収入は減り、支出は増える、、、

これがサブリース契約を継続した方がたどる道です。

サブリース契約を解約して物件所有者に不利な事はないのか?

サブリース契約を解約して不利なことはありません。
不動産投資を長い目で見た場合、今後有利になることの方が多いです。

ただし、次の4点は心得ておきましょう。

  1. サブリース契約を解約するために違約金がかかる場合があること
  2. サブリース契約を解約した後に、空部屋がある場合があるので、入居者募集期間は賃料の入金がサブリース賃料より低くなる場合があること
  3. サブリース契約を解約した後に、サブリース会社が建物の管理を怠っていた場合、共用部の清掃やメンテナンス等で費用がかかる場合があること
  4.  次に管理や入居者募集を依頼する不動産管理会社を探す必要があること

サブリースの解約にはどのくらいの時間がかかるのか?

サブリース契約書の内容により異なりますが、サブリース業者に対して解約通知書を書面で提出することが最初に行うことになります。

違約金を即日支払うことにより即日解約できる場合もあれば、サブリース業者が解約を認めない場合には内容証明書の送付や調停に発展する場合もあります。

その場合は6ヶ月から12ヶ月位の期間でサブリース契約の解約が成立することになります。

サブリースの解約は自分でできるのか?

できる場合もあれば、困難な場合もあります。

サブリース業者がサブリース契約の解除を素直に受け入れれば、その後は書類のやり取りや違約金の支払い方法等を決めるだけで何も難しいことはありません。

しかし、サブリース業者がサブリースの解除を拒んだ場合は、

  1. その後の交渉をどのように進めるか?
  2. 誰に相談をして内容証明書を作成するか?
  3. どの弁護士に調停の依頼をするのか?
    を検討する必要があります。

この場合、物件所有者には非常に困難なことが多いので、信頼のできる第三者にすべて依頼することが賢明です。

管理委託契約をした際の管理料はいくらか?

管理会社によって違いますが一般的には

賃料の3%~8%

の間です。

建物管理は別途費用がかかります。

※日常清掃・定期清掃・消防点検・雑排水高圧洗浄など

管理手数料の高い安いは賃貸経営の経費の部分なので非常に大事ではありますが、安かろう悪かろうでは意味がありません。

トラブル時の対応力や管理能力は依頼してみないとわからない部分が多いですが、金額以外でその会社は何が得意で強いのか、などをしっかりと見極めましょう。

入居者が退去した際の原状回復工事(リフォーム)内容や単価

サブリース契約の際は、貸主(サブリース会社)か入居者が負担をするのが通常ですが、管理委託契約の場合、貸主は物件所有者になります。

原状回復の際の費用負担は物件所有者か入居者になり、費用負担が発生しますので、

などは賃貸経営をしていく上で重要です。

この点も依頼する管理会社にしっかりと確認をしましょう。

今後、入居者とどのように接していくのか?入居者対策は?

管理会社に一任して入居者とは一切かかわらない、

これもありです。

事実、昔と違い、入居者はオーナーと接することを嫌う傾向があります。

しかし、賃貸市場は供給過多で空部屋が多いこの時代、お部屋が空いた時の空部屋対策は勿論大事ですが、その前に、入居者にはなるべく長く住んでもらい「空部屋を作らない」努力が必要です。

オーナーによっては、

などを行っている方もいらっしゃいます。

この内容だけでも1つの本が書けてしまう位ですので、ここではあまり触れませんが、依頼した管理会社の担当さんと話し合いをして何かしらの対策は講じたほうが入居者は長く住んでくれるのは確かです。

サブリース契約と管理委託契約(他の管理契約)の違いはなにか?

サブリース契約、管理委託契約比較表一番の違いは「賃貸借契約」の相手が違います。

サブリース契約は物件所有者とサブリース業者で賃貸借契約が結ばれるので、物件所有者が入居者に関わることはほぼありません。

その反面、管理委託契約は物件所有者と入居者で賃貸借契約が結ばれます。

管理報酬はサブリース契約の方が圧倒的に高くなります。

これは高い報酬料で空部屋リスクがない安心感を買っていることになります。

入居者の契約時に「礼金」があった場合は、サブリース契約の場合、サブリース業者が貸主なので、礼金はサブリース会社のものになります。

更新も全く同じ考えで、入居者が支払う更新料はサブリース業者のものになります。

その反面、管理委託契約では、「礼金」はすべて物件所有者になります。
更新料は物件所有者と管理会社で折半の場合が多いです。

原状回復費用負担は、サブリース契約はサブリース会社が貸主なのでサブリース会社が負担することが通常ですが、特約で一部物件所有者負担になっている場合が多いです。

1棟のアパートやマンションの場合の建物メンテナンス費用(共用部・外壁・屋根の補修など)は、どちらも物件所有者になります。

メリット・デメリットはそれぞれありますので事実上選択は可能ですが、これはあくまでも一方的なサブリース賃料の減額や解約がなかった場合のことです。

地方の物件や駅から距離がある物件を検討する際に、
「サブリースしてくれるから安心だ」
と考え購入された方が、何年か後に、サブリース賃料の減額や、サブリース業者からの一方的な解除で、その後の入居者募集に苦戦している方が非常に多く見受けられます。

そもそもサブリース契約がないと安心できないような物件は、収益物件としての購入検討から外したほうが無難と言えます。

サブリース契約から管理委託契約に変更する場合、毎月の管理手数料はどのくらい安くなるのか?

サブリース契約書と管理委託契約書の内容により異なりますが、賃料総額の5%~17%前後安くなります。

サブリース契約の借上率(賃料総額に対して〇%の賃料を保証するか)は、新築で90%、中古でリスクが高い物件だと70%~が通常です。

物件所有者はサブリース会社に対して、毎月賃料の10%~30%を報酬としてサブリース会社に支払うことになります。

管理委託契約は、賃料の3%~8%を管理手数料として管理会社に毎月支払うことが通常です。

例)アパート1棟の賃料合計額が30万円、サブリース契約が20%(借上率80%)、管理委託契約が3%のケース
サブリース契約 30万×80%=24万円(物件所有者の収入) ※報酬は6万円
管理委託契約  30万×97%=29.1万円(物件所有者の収入) ※報酬は0.9万円

その差は毎月51,000円(年間612,000円)

大きい差ですね。

管理委託契約はさらに契約時の礼金や更新時の更新料が収入となります。

ただし、空部屋が出た場合は、その分の賃料収入は少なくなりますので、その点をしっかりと収支計画に織り込むことが必要です。

管理手数料をなくしたい場合はどうすれば良いのか?

管理手数料をなくしたい、支払いたくないとお考えの場合は、不動産の管理を物件所有者自ら行うことになります。

これを「自主管理」といいます。

自主管理は入居者が退去した際の入居者募集のみをいくつかの不動産業者に依頼することになります。

又、1社の不動産会社と「専任契約」を締結して入居者募集を1社の不動産会社だけに依頼する形態もあります。

不動産投資をするのであれば経営になるので、少しでも経費を減らしたい、と考えるのは当然ですよね。

実際に自主管理をされているオーナーさんはたくさんいらっしゃいます。
自主管理をしているのは元々先祖から土地を持っていた「地主さん」が多いようです。

自主管理のメリットは上記の通り、管理手数料を支払う必要がない事です。

デメリットは管理会社がないため、家賃滞納・入居者の退去の際の原状回復費用の負担区分の算出・入居者のトラブル・家賃管理などを物件所有者自らが行う必要があることです。

サラリーマンや公務員の投資家さんは、仕事で時間がなく、入居者との対応が困難なため、管理会社に管理を依頼することが多くなっています。

サブリース契約を解約した場合、費用はかかるのか?

サブリース契約を解約すると、ほとんどの場合は費用がかかります。

物件所有者とサブリース業者は「賃貸借契約」を締結している関係です。

締結した契約書の内容によりけりですが、おおよそ次の3つに大別されます。

  1. 解約予告期間が契約書に記載されている場合(6ヶ月前の解約予告など)。
    サブリース契約の解約通知書をサブリース会社が受領した時点から6ヶ月目の末日で自動的に解約になり、この場合費用はかかりません。
  2. 上記1のケースで即日サブリース契約を解約したい場合は、違約金として6ヶ月分の賃料をサブリース会社に支払う必要があります。
  3. 上記1のケースでサブリース会社が解約を拒絶した場合はサブリース会社と交渉していくことになります。
    この際は、内容証明郵便代や、場合によっては弁護士相談費用、調停により解約をする場合は、弁護士費用がかかります。解約に関する条項や特約がない場合、物件所有者は「貸主」、サブリース業者は「借主」の関係が成立しているため、解約するためにはサブリース会社に「立退料」を支払う必要があります。「立退料」はいくらとは決まっていませんが、サブリース解除を弁護士に依頼して裁判になった場合の判例では、賃料の10ヶ月分~24ヶ月分の範囲におさまっています。

サブリース契約とは、そもそもどういう契約なのか?

サブリース契約とは、わかりやすく説明すると「転貸借」つまり、

  1. 物件所有者が不動産会社にお部屋を貸し、
  2. 不動産会社が借りたお部屋を第三者にあたる「入居者」に貸す
    ことを言います。

一般的にサブリースといえば賃貸物件の「一括借上げ」や「家賃保証」を指しています。

サブリース契約とは、サブリース問題

サブリース契約は、不動産会社が物件所有者と契約を締結して、すべてのお部屋を借りて空部屋に関係なく家賃を物件所有者に支払います。

又、サブリースをするのは不動産会社なので、家賃滞納、入居者からのクレームなどすべての業務を行うため、物件所有者は何もしないで一定額の家賃を受け取れる形態です。

本来は物件所有者にとって願ってもない契約形態です。

しかし、保証する家賃は2年に一度見直しをする契約が多い上、物件所有者は賃貸経営にほぼ関わっていません。

そのため、サブリース会社がどのような運営をしているのか分かりづらく、家賃の見直しをどのように算出したのかが分かりづらいのが欠点です。

加えて、サブリース会社にすべての業務をお任せしているので、賃貸経営の力が向上しない事も欠点として挙げられます。

サブリースとマスターリース、パススルーとは?

一般的にサブリースと呼ばれている賃貸の形式は、正確にいうと、
「マスターリース」と「サブリース」を組みあわせたものを指しています。

「サブリース」には2つの賃貸借契約があり

  1. 物件所有者とサブリース会社との間で締結する契約で、これが
    「マスターリース契約(又は一括賃借契約)」です。
  2. もう1つは、サブリース会社と入居者との間で締結する契約で、これが「サブリース契約(又は転貸借契約)」と呼ばれるものです。

パススルー型のサブリースとは、

  1. 不動産会社が物件所有者から賃貸物件を借上げ(マスターリース)、
  2. 不動産会社が第三者である入居者へお部屋を貸し(サブリース)、
  3. 入居者から「回収した家賃に応じて」物件所有者に対して家賃を支払うことを言います。

通常のサブリース契約は、物件所有者は空部屋があっても、家賃滞納があっても毎月決まった家賃を受け取れます。

そのかわり相場の家賃(入居者が支払う家賃)よりも借上げ賃料は低く(70%~90%)設定されます。

パススルー型のサブリース契約は、通常のサブリース契約とは逆で、空部屋時や入居者が家賃滞納をした際にはその家賃は保証されません。

しかし、借上げする家賃は通常のサブリース契約よりも高く(90%~95%)設定されます。

通常の管理委託契約の場合、管理報酬額は賃料の3%~8%に設定されることが多いため、パススルー型のサブリースと管理委託契約は費用面からみると同程度になります。

最近のサブリース問題の現状

サブリースの問題点を4つに大別すると、

  1. サブリース賃料を契約更新ごとに減額された
  2. サブリース契約を一方的に解除された
  3. サブリース会社から賃料が未払い
  4. サブリース会社が倒産した
    になります。

近年、サブリースの問題やトラブルが新聞やネットで取り上げられることが多くなりましたね。

具体的な事例としては、

この背景には、様々な要素がありますが、一番の要因は2009年前後から住宅ローンの金利が低金利のままで、銀行としては金利による利益確保が難しくなったため、サラリーマンをターゲットに収益物件の融資にかじを切ったことが始まりです。

そして、サラリーマンの方は会社の給料が上がっていかない、、、
では別の副収入を確保しよう、その対象が不動産投資

この2点が合致したのです。

更に不動産会社の新規起業数は増え、自社の物件を確保する為にサブリース物件の獲得営業に力を入れたのです。

しかし、サブリース物件を確保したはいいけど、日本の賃貸物件市場が供給過多になり空部屋がなかなか決まらず、サブリース会社は生き残るために

サブリース契約が決して悪いわけではないですが、「サブリースだから賃料が安定していて安心」とのお考えでサブリース契約を締結することは非常に危険です。

サブリースであっても賃貸経営には違いないわけですから、

などをしっかりと調査した上でサブリースは検討してくださいね。

大事な高額な資産ですから。。。

サブリース契約を解除され赤字に転落、家庭崩壊から立ち直った事例

サブリース契約書の内容(条文)チェックポイント

目次「サブリース契約書の内容を確認する」に戻る

サブリース契約書ひな型例

国土交通省が公開している 「サブリース契約書のひな形」のリンクを下記に貼りますので
ご覧ください。

サブリース契約書雛形
「サブリース住宅原賃貸借標準契約書平成30年3月版」

国土交通省ホームページより

サブリース契約書条文(特約)チェックポイント

契約書ですので、すべて重要ですが、特にチェックすべきポイントを下記に記載します。
契約書の「甲」は物件所有者、「乙」はサブリース会社になります。

  1. (2)契約期間:この契約期間がサブリース賃料の見直し期間に該当しますので注意が必要です。
  2. 条文第9条(乙の管理事務及び転貸):サブリース会社は物件所有者に対して定期的に報告義務があると書かれています。
    しかし、実情はほぼ報告されていないようです。
  3. 条文第10条(建物維持管理費用の分担)、第15条(修繕):別表に負担区分が記載されていますが、この内容をサブリース契約前に必ずチェックする必要があります。
    転借人(入居者)が退去した際に、物件所有者の費用負担が多く記載されている場合がありますので注意が必要な大事な部分です。
  4. 条文第17条(契約の解除):この条文では「サブリース業者」が契約に違反した場合の契約解除について記載されています。
  5. 条文第18条(期間内の解約):この条文では契約期間内にサブリース会社から解約をする場合のことが記載されています。
  6. 条文第20条(本物件の返還):契約期間が終了でサブリース会社は物件所有者に返還する旨が記載されています。

サブリース契約書の書式により内容が異なりますし、契約書の内容が難しいため、専門知識がある人に契約書を事前に確認してもらう等、事前に契約内容を確認することが大事ですね。

サブリース契約書に収入印紙は必要か?

サブリース契約が「建物の賃貸借」であれば収入印紙代はかかりません。
土地の賃貸借」であれば収入印紙代はかかります。

サブリース契約の賃料に消費税はかかるのか?

賃貸借契約書に「住居用」「居住用」など、建物の使用用途が「住居用」と限定されていれば消費税はかかりません。(非課税)

その反面、「事務所用」などの場合は消費税がかかります。

また、住居用でも1ヶ月未満の貸付や別荘の家賃についても消費税の対象になります。

サブリース契約でサブリース会社が転借人(入居者)に対して「住居用」として転貸する際も上記同様、消費税は非課税の扱いになります。

サブリース契約を解約した方の事例

新築アパートをサブリース付きで購入した方の事例(40代前半 男性 会社員)

私のところに、
「新築アパートをサブリース付きで購入しました。初めは安定した不動産投資でしたが数年でサブリース業者とトラブルになってしまいました。どう対処したらいいでしょうか?」

と相談がありました。

サブリース契約書には「当初10年間は賃料の見直しをしない」と書かれていたので、「10年間は安定収入が入る」と考えていたのに、購入してから3年後、「賃料を減額する」と一方的に通知がきたそうです。

相談者は、すぐ営業担当に電話をしましたが、
「減額を受け入れないのであればサブリース契約は解除する」
と言われてしまったようです。

納得はいきませんでしたが渋々同意をしました。

それでも収支は黒字だったのでまだ良かったのですが、それから2年後に再度、
「賃料を減額する」と通知がきました。

さすがに「これはおかしい」と思ったのと、これ以上減額されたら毎月の収支は赤字になってしまうので営業担当と話し合いをしました。

しかし、相談者の意見は全く受けつけてもらえませんでした。

それならばサブリース契約は解除しようと思い、サブリース契約の解約通知書を郵送しました。

すると驚いたことにサブリース会社から内容証明が届き、「サブリース契約は解約できない」旨が記載されていたそうです。

どうすることもできず、知り合いの不動産業者に相談しましたが、「それはうちでは対処できない」と言われてしまったそうです。

そして、「サブリース契約のトラブルに強い業者を探して相談しよう」と必死に探した先が

私の会社でした。

そもそもサブリース契約の交渉は「非弁行為」に該当するため、不動産会社では対応できないのです。

その為、力のある弁護士に依頼し

電話での交渉
訪問して交渉
内容証明書の郵送
これを繰り返した結果、無事解約することができました。

以下、相談者から頂いたお言葉です。

南部さんが大変親身にサブリース契約の相談に乗って頂き
頼りになる弁護士を紹介して頂いたおかげで
スムーズに解約を進めていただき、8ヶ月でなんとかサブリース契約を解約することができました。

その後は南部さんの会社と管理委託契約を結び、現在不動産投資は順調です。

本当にサブリースは怖いですね。
もう二度とサブリースはしません。

シェアハウスをサブリース付きで購入した方の事例(30代後半 女性 会社員)

「サブリース賃料が入金されなくて困っています。今後どのように進めればいいでしょうか?」

と私に相談がありました。

相談者は、「シェアハウスを購入しておけば将来の個人年金がわりになるし、毎月収入が増える」
と知り合いに勧められてシェアハウスを購入しました。

サブリースは相談者が選択した訳ではなく、シェアハウスの購入条件にサブリース契約が含んでいたとの事です。

購入してから2年位は「毎月収入は増えたし、特に何もすることはないし、本当に良かった」
と思っていました。

しかし、ある時から突然サブリース会社から振り込んでもらうはずの賃料が振り込まれなくなりました。

ローンの支払いがあるので、何度もサブリース会社に連絡をしましたが「すぐに振込みします」と言っておきながら全く入金はありません。

毎月の給料を全額あててもローンの支払いはできず、貯金は底をつき、初めはローンの支払いをカードでキャッシングをして払っていました。

しかし限界がきました、、、

どうしようもなくなり、弁護士に相談をすると

「自己破産しましょう」と軽く言われ

「私が自己破産???」

相談者は生きる気力がなくなってしまいました。

しかし、
「銀行から支払いの督促はくるし、なんとかしないと」
と思い他の弁護士に相談している最中、サブリース会社の倒産・・・

この時点で私に相談に来たのです。

今は弁護士に依頼してトラブル解決の真っ最中です。

新築1ルームマンションをサブリース付きで2部屋購入した方の事例(20代後半 男性 自営業)

サブリース契約を解約するなら立退料を払って欲しい」

そうサブリース業者から言われどうすることもできず、私に相談に来ました。

「節税対策と将来の生命保険がわりに1ルームマンション投資がいい」と、散々不動産会社の営業マンに言われ、2部屋購入することになったようです。

購入価格は1部屋約2500万円。

1部屋あたり毎月3万円の赤字(合計6万円)ですが、当初は確かに「節税になったし、生命保険に入っても同じか」

と特に気にしていませんでした。

2年もしないうちにサブリース会社から「賃料を減額する」と通知がきて、初めてこれはヤバイかな、と思い始めたそうです。

1部屋1万円の減額だったので2部屋で2万円、毎月の持ち出しは8万円です。

年間96万円・・・

さらに固定資産税の支払いもあるし・・・

これは厳しいと思いましたが、
何とかしないと非常にまずいことになると思い担当営業さんに会いに行ったそうです。

営業担当は冷酷にサブリース契約は解約できない。するのであれば立退料を支払って下さい。」と言ったそうです。

「立退料???」

意味不明でしたが、サブリース契約は解約したかったので、知り合いに別の不動産会社の人を紹介して貰い相談にいくことにしました。

それが当社でした。

詳細をお聞きした上で私も
「確かにこのケースは立退料が発生する」
と説明した上で、今後どうなれば理想なのかなどを聞きました。

相談者は
「売却したい」
と言われました。

サブリース付きの物件は、特に最近サブリース問題でのトラブルが多く、購入者が敬遠することが予測できたので、売却の前に、まずはサブリース契約の解除をすることにしました。

私は知り合いの弁護士に相談し、一緒に解決策を立て、弁護士に一任しました。

まずはサブリース業者に内容証明を郵送からスタートです。

予想通りサブリース業者は強気に出てきたのでその後すぐ調停になりました。

半年かかりましたがサブリース契約の解約はできて、その後売却もできました。

やっと不動産から解放された!

本当にサブリースって怖いですね。

不動産投資はこりごりです。

と相談者は言っておられました。

入居者が退去した際の「原状回復費用の負担区分」について

入居者が退去した際、原状回復工事が必ず発生します。

主な項目としては、

などです。

この費用を物件所有者と入居者が、

「どの部分の費用を」
「誰が負担するのか」

を決めることになります。

現在は、国土交通省が

国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

を発表していて、このガイドラインに基づいて「物件所有者」と「入居者」の負担区分が決まります。

引用:国土交通省ホームページ

基本的な考え方としては、賃料が適正であれば入居者が住んでいて汚れた部分や色あせした部分などの経年劣化によるものは「賃料に含まれている」という解釈です。

費用の負担を回避するために賃貸借契約書の特約事項に

「退去の際、壁紙の貼替え費用は全額借主負担とする」

と記載したとしても、借主に不利な内容は無効になるケースが多いです。

どうしても双方の折り合いがつかず揉めた場合、裁判所の「少額訴訟」になるケースもあります。

少額訴訟は

ので、原状回復費用負担をめぐり利用する方がいます。

サブリース契約の解約には「立退料」が発生する場合がある

これまで何度か触れてきましたが、サブリース契約の解約には「立退料」が発生する場合があります。

通常の賃貸借契約は「物件所有者」と「入居者」の契約関係になります。

賃貸借契約書には入居者が解約する場合の解約予告期間(通常1ヶ月前)が記載されていて、入居者は解約を通知することにより解約することができます。

物件所有者からの解約や更新拒絶は入居者が合意すればできますが、通常入居者は合意するはずがありません。

その場合、物件所有者には「正当事由」がないと解約や更新拒絶ができないことになります。

正当事由の解釈は非常に難しく、物件所有者の単なる事情や都合では認められません。

例を出すと、

などは認められません。

弁護士でも判断が難しいようで、最終的には裁判所の判断を仰ぐしかない、というのが実情です。

サブリース契約の解約も、サブリース契約書に物件所有者からの中途解約に関することが記載されていれば解約を通知することで解約はできます。

しかし、それでもサブリース業者が解約を拒むケースが多く、また、中途解約について記載されていない契約書が多いため、賃貸借契約同様、物件所有者には正当事由が必要になります。

そして、これも賃貸借契約同様、正当事由が認められない事が大半なため、

「立退料を支払い解約を成立させる」

ことになります。

サブリース業者が「立退料〇〇万円支払ってもらえれば解約する」と言い、その金額に対して物件所有者が合意すれば立退料を支払い、解約は成立します。

実際はサブリース業者が立退料をかなり高く提示してくるため、交渉が成立せず、結局は、弁護士に依頼して調停に持ち込む。

この流れが普通です。

サブリース契約の解約で立退料が発生した場合、どういう手続きが必要か?

サブリース契約の解約で立退料の話になった場合、物件所有者とサブリース業者との話し合いでまとまれば一番理想です。

しかし、そう簡単にはまとまりません。

この場合、借地借家法などの法律知識や高度な交渉力が必要になるため、サブリース問題に精通している弁護士に依頼することがベストです。

ここで1つだけ注意事項があります。

弁護士にも得意分野と不得手分野がありますので、「不動産トラブルやサブリース問題」に精通している弁護士を探す必要があります。

サブリース契約の解約を弁護士に依頼する場合の手順や費用

サブリース契約の解約を通知して、サブリース業者が拒んだ場合や立退料の話になった場合、弁護士に依頼することになります。

サブリース問題に強い弁護士を知っていたり、紹介して貰えるなら、弁護士の選任はまずクリアです。

インターネットが普及しているのでご自身で調べることは充分可能ですが、もしどうしても見つからなければ私にご相談ください。

その後の手順は弁護士により異なりますが、おおよそ下記になります。

  1. 弁護士に相談する(相談料は1時間1万円~3万円前後)
  2. 弁護士に依頼すると同時に賃貸借契約書など必要書類を提出する
  3. 弁護士に着手金を支払う(30万円前後が多い)
  4. 弁護士が示談交渉開始
  5. 弁護士が訴訟提起
  6. 強制執行
  7. 和解(解約成立)
  8. 弁護士に報酬を支払う(賃料の〇ヶ月分や立退料を減額した金額の〇%など)

私の経験ですと、弁護士に依頼してから解約成立までの期間は、早くて6ヶ月、長くて12ヶ月前後です。

弁護士に依頼する前に、必ず金額に関する詳細を確認しましょう。

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案について

2020年6月12日に、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」が可決成立しました。

まだ施行されてはいませんが、この法律によりサブリース契約が解約しやすくなる、という訳ではなさそうです。

下記に法律案の内容を掲載します。

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案 国土交通省ホームページ

更なる細かいところまでの内容精査を期待したいですね。

サブリース契約の解約を第三者に依頼したい方へ

サブリース契約の解約は、これまで説明してきたとおりに行って頂ければ最初にサブリース業者にサブリース契約の解約通知書を提出するまではご自身でできます。

そのまま解約できれば理想ですね。

しかし、何も問題なく解約できるケースは非常に少ないのが現実です。

私にサブリース契約の解除の相談に来る方のほとんどが、解約を通知するまではご自身で行い、結局はサブリース業者に拒絶され、困り果ててからいらっしゃいます。

サブリース契約の解除は高度な交渉力と法律知識が必要になりますので、初めから第三者に依頼することをおススメします。

サブリース問題に精通しているプロや弁護士を探すのもまた困難ですよね。

弁護士は誰しも同じで誰に依頼しても同じように感じます。

ただ、相談先を間違えると期間と費用が多くかかる場合があることに、くれぐれも注意してください。

弁護士も仕事ですので、すぐに解決してしまってはお金が儲からないわけです。

わざと長引かせて依頼者からお金を少しでも貰おうとする弁護士はたくさんいます。

まずは弁護士に相談する前に、信用できそうな不動産会社の人や精通しているプロに相談してみてください。b

そういう人は弁護士とのパイプが多くあるはずですので、いい弁護士を紹介して貰えるかもしれません。

まとめ

これまでご説明してきた通り、サブリース契約は解約できます。

しかし、不動産業界特有の「古き悪い慣習」が根強いため、スムーズに事が進まないのが現実です。

その上、消費者保護の観点から借主である「サブリース業者」の方が有利に働くことが多く見受けられます。

借地借家法だとか、消費者保護法だとか、民法だとか、

本当に複雑です。

サブリース契約の内容を良くわからないまま契約して、何年後かに困って相談にいらっしゃる方が後を絶ちません。

サブリース賃料の減額

サブリース契約の一方的な解除

サブリース賃料の未払い

そして、

サブリース業者の倒産、、、、、

サブリース問題が次から次へと表面化しています。

せっかく高いお金を出して多額のローンを借りて不動産投資を始めたわけです。

毎月収入があって、10年後、20年後は更に生活が楽になっていないと不動産投資は成功とは言えません。

サブリースが悪いと言いたいわけではありません。

たくさん相談を受けてきました。

しかし、

たくさん相談を受けてきました。

状況が本当に悲惨で私も泣きたくなることが多々あります。

もし、現在サブリース契約で不動産投資をしていて、

そういうことがある方は、

私に相談してください。

サブリース契約の解約は、多大な時間と労力が必要なので、毎月たくさんの方のご相談を受けることはできませんが、一人でも多くの方がサブリース問題から解放されて健全な不動産投資が行えるようになって欲しいと

心から願っております。

サブリース新法 2020年12月施工予定  ~2020年8月追記~

法律,サブリース,契約,新法,施工

2020年3月に「サブリース新法」がようやっと閣議決定しましたね。

正式名称は「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」です。

 

 

法律案の概要は下記になります。

(1)サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置
〇 全てのサブリース業者に対し、
・ 勧誘時における、故意に事実を告げず、又は不実を告げる等の不当な行為の禁止
・ サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の締結前の重要事項説明 等
を義務づけ
〇 サブリース業者と組んでサブリースによる賃貸住宅経営の勧誘を行う者(勧誘者)についても、契約の適正化のための規制の対象とする
(2)賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設
〇 賃貸住宅管理業を営もうとする者について、国土交通大臣の登録を義務づけ
〇 登録を受けた賃貸住宅管理業者について、
・ 業務管理者の選任
・ 管理受託契約締結前の重要事項の説明
・ 財産の分別管理
・ 委託者への定期報告 等
を義務づけ

以下に国土交通省のリンクを貼っておきます。

国土交通省 「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」を閣議決定
~サブリース業者による勧誘・契約締結行為の適正化と賃貸住宅管理業の登録制度の創設~

日々、サブリース契約に関するトラブルやお悩みのご相談を受けている私からすると

「サブリース契約の解約」

について全く触れられていないことが残念でなりません。

ここ数年、ご相談内容で圧倒的に多いのが

  1. 売却募集をしていて買い手が見つかり「サブリース契約を解約してください」と言われ、サブリース会社に解約する旨を伝えたら「サブリース契約の解約(解除)はできない」と言われた
  2. サブリース会社から一方的に「賃料の減額をされた」

この2点になります。

「2」に関してはサブリース新法が施工された後、改善が期待できそうですが、
「1」のサブリース契約が解約(解除)できない問題は未解決となりそうです。

そもそも収益物件を購入してサブリース契約を締結している投資家さんの多くは、サブリース契約の解約(解除)はいくらかの違約金はかかるものの、いつでも解約できる、と当然に思っている方が多く、

というタイミングで初めてサブリース契約が解約(解除)できない、という事実に気付くのです。

もちろん、すべてのサブリース契約が解約(解除)できない訳ではありません。
普通に解約できるサブリース会社のほうが多いでしょう。

しかし、実際にサブリース契約が解約(解除)できなくて困っている投資家さんが多いのは事実ですし、ご相談件数が以前と比べてかなり増えていることを考えると複雑な心境です。

このような背景があることを不動産投資家さんが知っていることが多いので、その結果「サブリース契約が付いている物件は購入しない」という流れになってしまっていますね。

本来サブリース契約は空室のリスクを考えなくて良い、いい仕組みでしたが借地借家法を逆手に取り、サブリース契約を解約(解除)させない業者が増えてしまい非常に残念です。

もし、あなたが将来的に売却をお考えであれば一度サブリース会社にサブリース契約が解約(解除)できるか否か確認してみましょう。
サブリース契約は解約(解除)しない、と言われたら早めに行動を起こすことをおススメします。