あなたは訪問先の不動産屋で「別の不動産屋」が募集しているお部屋も紹介してもらえることをご存じですか?
簡単にいうと募集されているお部屋のほとんどは、どこの不動産屋でも紹介してもらえるということです。
したがって良い不動産屋と出会えたら迷わず気になっている物件を伝えて紹介してもらいましょう!
ここの記事では
- なぜ異なる不動産屋でも同じ物件を紹介できたり、できなかったりするのか?
- あなたがどのようなお部屋探しをすればいいお部屋に巡り合えるのか?
についてできる限り専門用語を使わずに簡単に分かりやすくお伝えします。
「ここの不動産屋に行ってよかった!正解だ!」
となるように頑張っていきましょう!
どこの不動産屋に行っても同じ賃貸のお部屋を紹介してもらえるのか?
「どこの不動産屋に行っても同じお部屋を紹介してもらえるのか?」については不動産屋間で物件がどのように共有されているのかを知ることがわかりやすいので説明しますね。
不動産屋同士だけで物件を共有できるネットワークがあることを理解しよう
ネットワークには主に「レインズ」と「ATBB(アットビービー)」という不動産屋だけが閲覧できる専用サイトがあります。
レインズとは国土交通大臣から指定を受けた公益財団法人である不動産流通機構が運営しているシステムで、ほぼすべての不動産屋が会員になっています。
ATBBとはアットホーム株式会社が運営していて一般の方でも探せる不動産サイト「athome」と同じ運営会社です。
ATBBはレインズと同じように不動産屋だけが閲覧できる専用サイトの名称です。
このように不動産屋の間では、一般のかたには情報が公開されない不動産屋間だけで物件を共有する仕組みが整っています。
少しだけ不動産取引の仕組みを理解しよう
そもそもなぜレインズやATBBのような不動産屋同士だけで連携するサイトがあるのでしょうか?
それを知るには少し不動産取引の仕組みを知る必要がありますね。
レインズやATBBに物件を登録するのは、大家さんから募集の依頼を受けた不動産屋(A社)です。
A社はレインズやATBBに物件を登録して、他の不動産屋にも情報を開示します。
その結果、開示された物件は他の不動産屋でも紹介できるようになります。
こうすることでAが依頼を受けたお部屋を他の不動産屋からも紹介してもらうことができるのです。
なぜA社は他の不動産屋から募集してもらう必要性があるのでしょうか?
理由は大きく分けて3つあります。
1.自社だけでなく他社の協力を得たほうが募集活動を広範囲にできて早く借り手が見つかるから
A社のみでお部屋の募集をするよりも、他社にも協力して紹介してもらうほうが
募集の窓口が広がり、
より早く
はるかに多くのお部屋探しをしているかたにお部屋を見てもらえる可能性が高くなるからです。
2.A社と賃貸物件の所在地が離れているためA社では現地のご案内が困難なため
A社~A社が管理している賃貸物件までが遠く、1時間かかるということはよくあります。
あなたが不動産屋を訪問するとしたら希望するエリアになるべく近い不動産屋に行きたいと思いませんか?
A社にわざわざ時間をかけて行くのは面倒ですよね?
またA社にとっても往復2時間のご案内をするよりもエリアに精通している周辺の不動産屋に紹介してもらうほうが効率が良いと考えるのです。
3.A社がご案内を含めて直接物件の紹介をしていないため
A社が賃貸管理専門の会社(管理会社)の場合は積極的に自ら紹介しないことが多いのです。
※管理会社については以前に記事にしていますのでこちらを参考にしてください。↓↓↓
不動産屋と管理会社の違いってなに?
そのような理由で賃貸募集は他業者に依頼することになるのです。
A社の優先的な業務とはなにか?
上記1~3のどの理由だとしてもA社の優先業務は空室の借り手を早く決めることです。
大家さんが早く入居者に入って欲しいと思うことは当然ですが、A社にとっても空室を早く決めることが利益になるため、自社のみで募集したのはいいものの借り手がつかないというのは避けたいのです。
A社にとってレインズやATBBは空室のお部屋を幅広く周知してもらい、早く空室を決めるツールとして必要不可欠なものといえるのです。
不動産屋はみんなレインズ・ATBBをみて紹介するお部屋を探していることを知っておこう
不動産屋に訪問したことのある方は見たことがあるかもしれませんが、あなたに紹介するお部屋を不動産屋はレインズやATBBから探して紹介しています。
CMなど広告で目にするSUUMOやathome に掲載されている情報もレインズやATBBに公開されている情報がほとんどです。
これまでのご説明が、あなたがどこの不動産屋に行っても同じ物件を紹介してもらえる理由です。
特定の不動産屋でしか扱えない賃貸のお部屋はあるのか?
特定の不動産屋でしか扱えない賃貸のお部屋はあります。
ほとんどのお部屋はどこの不動産屋でも紹介してもらえるとお話しました。
それではなぜ特定の不動産屋にしか紹介してもらえないお部屋があるのでしょうか?
特定の不動産屋「B社」がレインズやATBBに登録しないのは、自分たちで直接借り手を見つけたいからです。
それは他の不動産屋から紹介してもらう気がないということです。
その理由は3つあります。
1.B社が直接あなたに紹介したほうが仲介手数料がもらえて利益が上がるから
他の不動産屋に紹介してもらった場合、B社はあなたから仲介手数料をもらえません。
あなたは他の不動産屋に仲介手数料をお支払いをすることになるからです。
そうなるとB社はあなたから仲介手数料をもらえないので利益になりません。
このような理由で他の不動産屋にはお部屋を公開しないで自社でしか紹介しなくなるのです。
2.大家さんの希望によって物件を他には公開したくないから
- 不特定多数の人に情報を知られたくない
- B社が直接会った人を紹介してほしい
このように希望する大家さんは非常に珍しいケースですが稀にいますので、この場合お部屋を他の不動産屋に公開できなくなり特定の不動産屋でしか扱えなくなります。
3.特定の不動産屋が募集物件を「囲い込み」してしまうため
B社がお部屋を他の不動産屋には一切公開や紹介をしないで、自社だけで物件を募集して契約までおこない、自己利益を優先していることを「囲い込み」といいます。
賃貸にはレインズへの登録義務がなく、他社に公開しなくても違反ではありません。
しかし、他社にお部屋を紹介しないで空室期間が長引く場合、損するのは大家さんです。
そしてなによりも囲い込みによって一番不利益を被るのはお部屋を探されるあなたなのです。
すべての不動産屋が「囲い込み」をしていたら
あなたがお部屋探しをする際にはあちこちの不動産屋に行かなければいけなくなりお部屋探しが大変なものになってしまいます。
現在、お部屋探しをするかたが何社の不動産屋に訪問しているのか?というデータがあります。↓ ↓ ↓
株式会社リクルート データ
平均「1.6社」。
1社~2社という結果です。
インターネットが普及する前、賃貸のお部屋を探す際には
- 情報量が圧倒的に少ない「雑誌」を購入して片っ端情報を集める
- 何軒も何軒も直接不動産屋に訪問して情報を集めてから検討する
- 知り合いの不動産に探してもらう
この方法しかなかったのです。
そのためたくさんの不動産屋に訪問するのが当たり前で、こうするしか賃貸のお部屋情報を集めて比較する手段がなかったのです。
その上、「不動産屋が物件を囲い込む」ことが当然でしたので、訪問した不動産会社の管理物件しか紹介してもらえず、たくさんの不動産屋に行かないとお部屋がみつからない状況でした。
今では賃貸に関しては9割前後のお部屋は不動産屋専用サイトに登録されています。
あなたが良いと思った不動産屋に出会えた時には、他の不動産屋には行く必要がなく、ほとんどの物件を紹介してもらえる状況が整っているのです。
まとめ
不動産業界では賃貸のお部屋を探す際、賃貸物件の囲い込みの時代から、ほぼ1社でお部屋探しができる環境が整ってきています。
そのような意味では表題の「賃貸のお部屋はどこの不動産屋で探しても同じ」と言えるでしょう。
しかし肝心の
- どの不動産屋に行けばいいのか?
- どういう不動産屋(営業マン)がいいのか?
- いい不動産屋(営業マン)に巡り合うにはどうしたらいいのか?
が一番難しいと言えます。
「いい不動産屋」「いい営業マン」は人それぞれ基準が違います。
- 一生懸命仕事をしてくれる人
- 愛想がいい人
- レスポンスが早い人
- 知識がある人
- あなたの仕事で今後関わりが持てそうな人
- ・・・・・・・・・
たくさんありますね。
しかしこれだけは誰しもが共通と言えることです。
それは
「あなたがストレスなくいい気持ちでお部屋探しができて、希望に近いお部屋に住むことができること」
そして
「お引越後、入居中に何かあった時に、すぐ対応してくれたり親身に相談にのってくれること」
あなたがいい不動産屋や営業マンに出会い、最高のお部屋探しができることを願っています。