賃貸物件の契約をするには「入居審査」に通過する必要があります。
入居審査とは大家さんや管理会社にとって「この人は善良な入居者として住んでもらえるか?」などを判断することです。
最近では大家さんから委託されている管理会社や保証会社が審査をすることも増えています。
入居審査の内容
申込書の記入から審査が始まる
気に入ったお部屋が見つかると紹介してもらった不動産屋から申込書の記入をお願いされます。
申込書の書式は管理会社によって異なりますがほとんど同じ内容です。
【一般的な申込書記入項目】
契約者:氏名・住所・連絡先・生年月日・勤務先(学校)の内容・収入
保証人:氏名・住所・連絡先・生年月日・勤務先の内容・収入
申込書の項目は管理会社が必要としている内容ですので、未記入部分があると審査を開始できないので空欄の無いように直筆にて記入する必要があります。
最近ではパソコンを利用することが多く、直筆するのは面倒と思うでしょうが、乱雑に記入してはいけません。なぜなら大家さんも管理会社もあなたとお会いして入居審査をするのではなく、申込書を見て判断します。
そのため申込書を乱雑に書いてしまうと「横柄な人なのか」「いい加減な人なのか」と人柄を疑われることもあるからです。
もちろん文字だけで人柄が判断できるものではありません。しかし、大家さんはあなたの人柄を知りません。
そのため申込書からあなたの人柄を想像するしかないのです。字の綺麗さではなく丁寧に書くことが大切なのです。
大家さんの希望する入居者なのか重視される
入居者間のトラブルを避ける為に入居者の希望を強く抱いている大家さんがいます。
例えばワンルームのようなお部屋では二人以上での入居を断られるケースがあります。
一般的にワンルームや1Kは単身者向けに貸し出されているため、騒音トラブルに繋がりやすい複数人での入居を禁止しています。
また、騒音トラブルを避ける意味では間取りに関係なく、
- 夜勤の多い仕事の人は避ける
- 年齢層を揃えたがる
- 子供は禁止
- ファミリーの入居者を優先する
など物件ごとに入居者の生活スタイルや家族構成が似ている人と契約したがることもあります。
騒音トラブルだけでなく他にも女性限定や学生限定、学生不可などを希望する大家さんもいます。
本人確認の電話が入ることが多い
入居審査では管理会社や保証会社から電話にて連絡することがあります。
この連絡は本人確認を含め、契約の意思確認をするためです。
しかし、多くの管理会社はこの理由だけでなく電話での受け答えを聞いて人柄を確認しています。
例えば横柄な態度をとっている人や暴力的な言葉を使う人であった場合、
「お部屋を貸してしまうと他の入居者とトラブルになりやすい」
「無理難題を言うクレーマーになるのではないか?」
と人柄を審査した結果、入居を断ることがあります。
普段お仕事柄電話にでられないという人や、知らない番号からの電話は受けない人もいるでしょう。
しかし本人確認ができなければ審査を通過する事ができません。
仕事柄電話にでられない場合はお昼休みなどを利用して折り返し連絡をするようにしましょう。
知らない番号は受けない人も賃貸の申込みをした後は契約までに本人確認の着信があると思って電話に出るようにしてください。
本人確認の所要時間は3~5分程度です。
勤務先の在籍確認をすることがある
本人確認とは別に申込書に記載した勤務先に「本当に働いているのか」を確認するため職場へ電話をする管理会社があります。
在籍を確認するだけですのでほとんどの場合は本人が電話を受ける必要はなく、不在でも問題ありません。
とはいえ、会社にまで確認の連絡をするとはどこまで疑うのか?と疑心になるかもしれませんね。
ごく稀に実際には働いていない勤務先が書かれている虚偽の申込みがあるためこのように勤務先へ連絡をする管理会社もあるのです。
申込時に必要となるもの
申込書の提出とあわせて必要となるものがあります。必要なものは物件や管理会社によって異なってきます。
ここでは個人による申込みの際に提出を求められるものを記載します。
身分証の提出はほとんどの物件で必要
多くの場合は申込書の提出時に身分証を一緒に提出することになります。身分証は顔写真付きのものを要求されることが多いため、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートを一般的に要求されます。
所持していない場合は相談すれば他の書類を提出する事で対応してもらえます。
また、勤務先の確認のため保険証の提出もあわせて求められることもあります。
高額物件や大手管理会社では源泉徴収票が必要
申込書には収入を記載します。収入の証明として源泉徴収票を求められることがあります。
高額物件の場合はほとんど提出を求められますが、大手の管理会社では家賃に関係なく源泉徴収票の提出を条件としていることがあります。
働き始めて数か月の場合や、これから勤務を開始する場合は直近3カ月分の給料明細または雇用契約書の提出を求められます。
※自営業者やフリーランスのかたは源泉徴収票の代わりに「確定申告書」を求められます。
現住所を確認できる書類が必要な場合もある
身分証の住所が現住所と同じであれば必要ありませんが、異なる場合は現住所の証明書類の提出を求められる場合もあります。
証明書類は住所とお名前が記載された光熱費の請求書を提出することで、ほとんどの管理会社は受け付けます。
入居審査の基準
これまでに入居審査の内容をお伝えしましたが、ここからは審査基準について解説していきます。
家賃の支払い能力をみられる
【契約者】
物件を問わず家賃を支払える人でなければお部屋を借りることはできません。
このため入居審査では収入と家賃のバランスに基準が設けられています。
例えば月収30万円の人が家賃20万円のお部屋を申込みしても入居審査を通過するのは難しいといえます。ほとんどの管理会社や大家さんの審査基準は月収に対して家賃を3割以下としていることが多いです。
ちなみに入居審査の基準では家賃は月収に対して3割以下としていますが、無理のない生活を送るためには“手取り給料”の3割以下にされることをお勧めします。
現在仕事をされていない場合は家賃を支払える証明を提出する事で審査に通過することもあります。
この場合の証明書類は預金通帳の提出を求められます。目安としては家賃を支払いながら1~2年生活ができると思われる残高が必要です。
また、行政から支援を受けている場合は受給証明書を提出する事で入居できる物件もあります。
しかし残念ながら定職に就いていないと審査は難しくなります。
お部屋を紹介してもらう前に不動産屋に事情を説明することで審査に通りやすい物件を紹介してもらうようにしましょう。
【保証人】
保証人を必要とする場合は契約者と同じように保証人の収入もみられます。
審査の基準も契約者と同じです。
保証会社独自の審査がある
物件によっては保証会社に加入する条件があります。
この場合は管理会社の審査基準とは別に保証会社においても審査基準が設けられています。
保証会社の審査基準は管理会社に対しても伏せているため、万が一審査に通過しなかったとしてもその理由を知らされることはありません。
保証会社の審査については以前解説しているのでこちらをご覧ください。↓ ↓ ↓
審査に落ちても気にしないこと
残念ながら審査に落ちてしまうこともあるかもしれません。
そして審査に落ちても理由は教えてもらえないことがほとんどです。
私の経験でも全く問題ないと思われるお客様が審査に通過しなかったことがあります。
この時も理由は聞けませんでした。
管理会社や保証会社の審査基準だけでなく大家さん独自の審査基準で判断されたのかもしれません。
このように不動産屋からすると問題ないお客様でも審査に通らないことはあります。
審査に落ちたからといって落ち込む必要もありません。
その物件とは相性がなかったと気持ちを切り替えて次の物件を探すようにしましょう。