賃貸物件の契約の際には敷金礼金のほかにもかかる費用があります。
この中に「24時間(安心)サポート」加入費用という項目が最近多く見受けられるようになりました。
この記事では「24時間(安心)サポート」について、具体的内容や費用相場、加入義務について解説します。
24時間(安心)サポートとは?
24時間(安心)サポートとは、設備の不具合など日常生活において起こりうる様々なトラブルを24時間体制でサポートするサービスのことです。
名称はサービス会社によって異なります。
トラブルが発生したときに管理会社が営業時間外だとしても、24時間(安心)サポートに連絡するとトラブルに対応できる作業員が駆け付けてくれます。
24時間(安心)サポートの内容は?
24時間(安心)サポートの内容はサービス会社によって多少の違いはあるものの、主なサービス内容は似ています。
ここではどのサービス会社でも主に対応しているサポート内容をお伝えします。
加入費用やサポートを受ける際の費用は?
最初にお伝えしたように24時間(安心)サポートへの加入が義務付けられている物件の場合は、敷金礼金など諸費用のひとつに24時間(安心)サポート費用があります。
相場は15,000円~20,000円(税別)となります。
このように契約時に支払う場合は2年間分の費用であることが一般的です。
そして2年後にその物件を更新する際は再度支払いが必要となります。
2年分の費用を支払われている場合は、基本的にトラブルの出張料、作業費は全て無料です。
ただし、24時間(安心)サポートは全ての事案を完全に解決できるわけではありません。
例えば、鍵をなくした場合に開錠は無料範囲ですが、新たに鍵を作るには費用がかかります。
※賃貸物件を借りる際の諸費用詳細はこちらで確認できます。
24時間(安心)サポートには必ず加入しなければいけないの?
以前は任意加入としていた物件も目にしましたが、最近では募集条件に「24時間(安心)サポート」と記載されている場合は、賃貸を契約する際には加入を条件としていることが多く、加入を拒むのは難しいといえます。
ただし、加入を条件と決めるのは大家さんや管理会社です。
物件を紹介してくれた仲介会社が管理会社ではないにも関わらず加入を進めてきた場合は必須ではありません。
※「管理会社」と「仲介会社」の違いがわからないかたは下記を参考にしてください。
※管理会社??仲介会社??…賃貸探しの際の不動産屋の仕組みはこちら
なぜ24時間(安心)サポート加入条件の物件が増えたのか?
以前は物件近くに住む大家さんが直接トラブル対応をされることが多くありました。しかし最近は大家さんが物件近くに住んでいないことや、会社員であったりすることからトラブルに対して大家さんが早急に対応しなく(できなく)なってきたことにあります。
また、最近の賃貸物件は一昔前の物件に比べると大幅に設備が増えました。
極端な言い方をすると一昔前は水道・電気・ガスが通っているだけで、必要なものは自分で用意するのが普通でした。
エアコン、給湯器(湯沸し器)、コンロ、洗濯機置き場、洗面台、換気扇といった今では当然のようにある設備が昔は当然のように無かったのです。
時代にあわせてお部屋の設備は充実しましたが、その分大家さんは対応しきれないほど不具合の連絡を受けることが増えてしまったのです。
法律の改定や国土交通省の指示も大きく影響しているように思えます。
原則、法律は消費者を保護するように作られています。
賃貸借契約に関しても例外ではなく、消費者(借主)保護は具体的な内容に改定されています。
簡単な例としては、契約書に設備と記載された電化製品が経年劣化などで動かなくなったとします。
この場合、貸主は修繕義務を負い、修繕費は貸主負担となります。
このような条文は現在の契約書には当たり前のように記載されています。
しかし、昔の契約書にはどこにも記載されていませんでした。
契約書に記載されたことで
- 貸主は対応しなければいけない
- 借主は対応するように訴えていいもの
とはっきりとしてきました。
賃貸物件を経営する貸主には設備を充実させると同時に、大小さまざまな修繕義務・修繕費を負うことになりました。
そこで24時間(安心)サポートに加入して頂くことで設備のトラブルなどに早急に対応でき、修繕費を抑えることができるため加入条件の物件が増えたと考えられます。